立ち姿を考える_2020/01/16


設計依頼を受けて現場に行ったときは、ちょっと周りを歩いてみます。
新築でも再生/改修工事でも。

建物が近所の人や通りすがりの人からどう見えるのか...
家に帰る住まい手からどう見えるのか...確認するためです。

建物の正面とか、玄関まわりから見た立ち姿はもちろん大事ですが
ちょっと離れたところから見える立ち姿、建物と建物の間から見える立ち姿は
まわりに住む人にとっては風景です。
そして住まい手にとっては「帰って来た」と安堵する瞬間を生み出すものです。

現在工事中の「芳賀の家(築130年の再生)」は厨子二階だったものを
二階の床を撤去し大きな吹抜空間をもつ居間に計画しています。
※厨子二階:天井の低い二階をもつ建築形式(ざっくりと)

写真の一階の屋根上に見える背の低い壁が厨子二階部分の壁ですが、そこに横長で黒く見える部分。
ここには計6MほどのFIXガラスが入ります。

ここから夜にはうっすらと居間の明かりが漏れる計画です。
きっとその明かりは近所の人や家に帰る住まい手をほんの少しほっこりさせるはず。

たくさんの小さなほっこりが集まる地域をつくるために
そのなかの一つの建築を大切に設計したいな~と常々思います。