岡山県瀬戸内市に建つ築15年ほどの歯科クリニックのリニューアル改修およびスタッフ棟の別棟増築。

建築は某ハウスメーカーの手掛けた平屋建て軽量鉄骨造。改修前は診療治療部分とスタッフ控室が建物内におさまっていましたが、リニューアルに伴いチェアを増設したことで、スタッフ棟は別棟増築することになりました。

既存棟のプロポーションは変えられず、既存のテラコッタ瓦はまだまだ健全な状態。
そこでエントランスポーチ部分の屋根、待合室の出窓部分の増築によりプロポーションを整え、既存サイディング外壁の上から唐松を張ることで、より親しみやすい外観を目指しました。

増築した待合室の出窓にはベンチを設置。
待合人数増加への対応と、隣接する北庭と室内空間を繋ぐ役割をもたせています。待合室は自然素材で仕上げ、診療前の緊張を和らげる空間。また診療に関係ない地域の方々でも集まれるような、みんなの家のような待合室としています。

診療部分メイン空間は軽量鉄骨の既存梁組を表しに。
勾配天井の大空間のなかに木造のチェアブースを挿入して、開放感×落ち着き×衛生面の高い空間になっています。

緑々しい庭の草木の隙間からみえる優しいクリニックの姿。10年後20年後の姿を思いながら進めた計画です。

場所	岡山県瀬戸内市
構造	改修棟_軽量鉄骨造平屋建 増築棟_木造2階建
構造設計	増築棟_下山建築設計室/下山聡
竣工	2021年
施工	株式会社中塚建設
写真	しんめんもく/後藤健治