尼崎の保育園
JR尼崎駅前に建つ木造平屋建ての企業主導型保育園。
再開発が著しく、高層マンションの建設ラッシュが続くこのエリア、そのなかにあって東はマンション用の平面駐車場、南は低層のオフィス、南西には低層の工場と桜並木。太陽光を遮る建物もない、このエリアでは奇跡的な場所です。
周辺の高層マンションに住む園児が増えるであろうこの園。そのあり方として「平屋の家」の型が浮かびました。通う園児、働く保育士にもう一つの「家」をつくるイメージです。シンプルな切妻の大屋根がかかり、しっかりと軒が出て、縁側がある「家」のような保育園。
保育室内部は屋根勾配そのままの天井がおおらかにひろがる一室空間。
南には建物本体にくい込んだ縁側スペースを設け、大きな軒下空間をつくりました。夏には縁側でバウンドした太陽光がやさしく、冬には太陽光を直接保育室にとり込みます。
内と外の間の中間領域といわれる日本の縁側の特性を保育空間に組み込むことで、保育室と園庭がスムーズにつながり、保育方法の広がりが生まれることを期待しています。
場所 | 兵庫県尼崎市 |
構造 | 木造平屋建 |
構造設計 | 有限会社ワークショップ/安江一平 |
竣工 | 2019年 |
施工 | 規工川建設株式会社 |
写真 | 笹の倉舎/笹倉洋平 |